理事長所信

2016年度 一般社団法人 珠洲青年会議所
川元 純

郷土に「感謝」
すず人としての「誇り」を未来へつなげよう

三方を海に囲まれ、宝立山の恩恵をうけるこの地で、先人達は何を想い命をつないできたのだろう。
責任世代として「地域の誇り」を後世に継承し、今も残る日本の故郷「珠洲(たからのくに)」を守り伝え残すことが、我々青年の責務である。

【はじめに】
日本における青年会議所運動は1949年9月3日、戦後間もない混乱期の中「祖国日本の復興は青年の責務である」という使命のもと「明るい豊かな社会の実現」を理想に掲げ、責任感と情熱を持った青年有志により始まりました。その想いは全国各地に飛び火し、そして1966年、この地に集う青年経済人の発起に加え金沢青年会議所のご尽力のもと、翌年1967年7月29日に全国で351番目の青年会議所として産声を上げました。
「JCの力で築こう明るい社会」を掲げ、社会への奉仕・地域社会の発展のためにJC運動がこの地で始まり、本年度で半世紀を迎えます。ここに創立50周年を迎えることが出来たのは、多くの諸先輩方の地域に対する情熱と挑戦の積み重ねであり、関係諸団体ならびに地域の御理解と御協力のお蔭であります。そして、時代の変遷の中で、創始の志を忘れず「個人の修練」「社会への奉仕」「世界との友情」を基本活動とし、創立より築き上げてきた歴史を継承し、発展させてきた諸先輩方の熱い想いを改めて実感するとともに、その志を創立50周年を迎えるにあたり、しっかりと未来へつなぎ新たな歴史を刻まなければなりません。

【市民から志民】
民間研究機関「日本創成会議・人口減少問題検討部会」が発表した消滅可能性都市(2040年問題)は、我々、地方で命をつないでいくものとして衝撃的なものでした。しかし、地域の人々は今まで気付かなかったのでしょうか。若者が都会へ流出するのは今に始まったことではなく、戦後の高度経済成長期には、全国の地方から集団就職として都会へ流れているのです。日本の地方はどこも同様で、若者が都会へ流れるという事は今も昔も変わりありません。そこで今、我々の地域で必要なのは、今一度自分が住み暮らす風景を見つめ直し「あたりまえ」ではなく「ありがたい」と思える心です。行政では「珠洲市まちづくり総合指針」を策定し「日本一幸せを感じるまち 珠洲市へ」をコンセプトに掲げ「人が輝くまち」を目指して取組みを進めています。さらには、地方創生と叫ばれる中、地域間競争で生き残っていくには、我々が地域のリーダーとなり、アクティブ・シチズンを育成し、市民一人ひとりが「すず人」としてのアイデンティティーを確立した志民へとなることが重要です。

【未来を担う子供たちのために】
利他を思うより利己を求めがちな現代社会において、子供たちを取り巻く環境は心の対話の不足、道徳心の欠如が問題のひとつだと考えます。感受性の豊かな若い時期の経験は、その人間の生涯に大きな影響を与える重要なものです。また、生涯に渡ってこの地域を想い活躍する人財を育むために、現代の子供たちに対し積極的に関わっていかなければなりません。さらには、この地域のことを誇りと感じることができる経験が必要なのです。
また、我々が子供たちに対し、この地域を本当に愛し誇りに思い、真摯に行動する姿を見せながら、多感な青少年の時期に共助しあい心を強く動かされるような経験や、自らの生れ育った地域を強く想う経験を提供していくことで、強くこの地域を想い行動してくれる利己主義から利他主義へ他者への思いやりを大切にする心の醸成こそが、子供たちの大きな志を育み、未来を担う人財の育成につながると確信します。

【地域の創造】
北陸新幹線の金沢開業、NHK連続テレビ小説「まれ」、珠洲を舞台とした映画「さいはてにて」など、能登が熱いと言われている中、その波及効果や人の流れを地域の人々はどう感じているのだろう。そして2017年に開催される奥能登国際芸術祭にどのように結び付けることが出来るだろうか。「秋祭り・ヨバレ」という地域に根差した伝統文化が国内外に認められ「地域の心」が世界へと発信されている今、改めて今在る「ヒト・モノ」の魅力を再認識し、無いものを求めるのではなく「適疎」として在るものを活かし、日本の故郷「珠洲」を守り、さらには、後世へ伝え残すために理解醸成を促すことで、故郷に対しての誇りを醸成しなければなりません。

【JAYCEEとして 自立と共助】
会社の従業員や地域の住人は、当然いなくてはならない必要不可欠な存在であるが、JCが育て創り出すヒトとは、如何なる時も能動的に考え行動し、そして、責任を自覚することで高い志と理念を持ち、さらには、判断力と実行力が伴い社会に貢献の出来るリード ザ ソサエティでなければならない。是非ともメンバー一人ひとりが自己研鑚に励み、修練に努め、互いを認め合い、同志とともに挑戦を続けることが重要です。その先には必ず、感動と感謝、達成感と向上心が芽生え、この積み重ねこそが自信につながり誇りとなるのです。そしてJCを愛するJAYCEEになれると確信しています。この姿こそが魅力に溢れる人財ではないでしょうか。
魅力に溢れ社会をリードするJAYCEEの言動は、説得力を持ち、必ずや地域を輝かせ、青年のリーダーとして地域に必要不可欠な存在となっていることでしょう。そして、その情熱と運動は地域に伝播し、更なる会員の拡大へつながっていくと信じています。今こそ、JAYCEEとして地域の先頭に立ち、JCの魅力を大いに語り、JCに在籍する自分自身に誇りを持ち、弛みない活動をして行きましょう。

【50周年を迎えて】
2006年、新たに「誇りを持てる地域の実現」というタネを蒔きました。あれから10年「ひとづくり」「まちづくり」という水をあげ続け、そのタネは今どこまで大きく成長したのでしょうか。
創立50周年を節目に我々は、脈々と受け継がれてきた珠洲JCの精神を真摯に捉え、これまでの49年間を振り返るとともに、未来へ進むためのイメージをメンバー全員で共有し、新たな一歩を踏み出さなければなりません。
本年度、50周年を迎えるにあたり新たな出発点と考え、10年・20年後の未来を創造していく上で、50年後の地域を見据えた軸をしっかりと確立し、そして、変える事の出来ないものを素直に受け入れる冷静さ、変えるべきものを敢然と変えていく勇気、変える事の出来るものと変えてはならないものを見分ける賢明さ、そんな不易流行の理念を持って、創始の精神を忘れずメンバー一人ひとりが青年らしく高い志を持ち、我々が想い描く未来の為に、点と点をつなぐ運動を展開し多くの方々へ感謝の想いを表すべく地域への恩返しをして行かなければなりません。

【石川コンファレンスin珠洲】
本年、9年ぶりに大会のシンボルである鍵を珠洲の地にてお預かりし、石川コンファレンスが開催されます。石川の中で同じ志を持つ仲間が集う場として学ぶ機会を提供するとともに珠洲を発信する絶好の機会でもあります。コンファレンス事業としての意義と整合性を考えながらも珠洲の魅力を感じていただけるようメンバー一丸となって協力いたします。

【おわりに】
私は2006年40周年の年にご縁があり、この珠洲青年会議所に入会させていただきました。「誇りを持てる地域すず」の実現に向けてJAYCEEとして歩んできた10年、本年度50周年を迎えるにあたり、理事長を拝命することに重大な責任を感じるとともに感慨深いものがあります。多くの仲間や諸先輩方に助けられ今日まで活動することが出来ました。ふと入会してからの年月を顧みたとき「もし青年会議所に入会していなければ今の自分はどうなっていたのだろうか」と考えることがあります。私ははっきりと断言できます。この地域に対しても興味を持たず、考えも持たない社会人になっていただろうと。そう思えるのは、青年会議所が持つ力であり、ネットワークの広さであり、人と人とのつながりが自分を育ててくれたからだと思うのです。
「日本の青年会議所は 混沌という未知の可能性を切り拓き 個人の自立性と社会の公共性が 生き生きと協和する確かな時代を築くために 率先して行動することを宣言する」
今まで多くの青年達が地域の未来を考え行動を興して参りました。今「珠洲」が確かに 存在し、これからもここに在り続けるのならば、世代を超えた同志がこの地域を創ってきた事に誇りを持ち、同じく故郷を愛し、後世へと伝え残していかなければなりません。我々は、この時代に生きて、そしてこの「珠洲」に生きて行ける事に感謝をしましょう。半世紀の節目を迎えた今、日々新たに自己を見つめ理解し、リーダーとして自信を持って行動しましょう。
まだ見ぬ未知の可能性を秘めた「珠洲(たからのくに)」の未来のために

<基本理念>
【不易流行】
創始の精神を胸に「すず人」が織りなす
誇りを持てる地域の創造
<基本方針>

  • 50年後を見据え軸をしっかりと確立した地域の創造
  • 「すず人」としてのアイデンティティーを確立した志民の育成
  • 道徳心溢れる未来を担う青少年の育成
  • 全メンバーでの会員拡大
  • 社会をリードするJAYCEEの育成
  • 第46回石川コンファレンスの主管LOMとして全メンバーでの支援・協力